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入院・治療、いくらかかる?知っておきたい目安額

日本では、すべての国民がなんらかの公的医療保険に加入している「国民皆保険制度」が設けられており、病気やケガで医療機関を受診した場合、患者は実際にかかった医療費の3割(小学校就学前は2割、70歳以上は収入により1割、または3割)を負担すればよいことになっています。それでも、高額の治療が必要な病気にかかったり、治療が長期にわたったりすると、経済的な負担は小さくありません。いざというときのために、治療費、入院費などの目安を知っておきましょう。

入院した場合の治療費の平均自己負担額は約15万円!

厚生労働省が発表している「医療給付実態調査 報告書 平成27年度」によれば、主な疾病で入院した場合の治療費(※1)の平均自己負担額は154,812円です。

(※1)診察、薬剤または治療材料の支給、処置・手術その他の治療などにかかる費用。
出典:「保険診療の理解のために【医科】(平成28年度版)」(厚生労働省)10ページ「Ⅳ 保険医療機関及び保険医療養担当規則について」(1) 療養の給付の担当の範囲(第 1 条)から抜粋

参考までに、いくつかの疾病に関して、治療費の平均自己負担額を厚生労働省の報告書から挙げてみましょう。

胃の悪性新生物(胃がん)=184,089円
結腸の悪性新生物(結腸がん)=178,341円
気管支および肺の悪性新生物(気管がん・肺がん)=192,780円
虚血性心疾患=222,297円
肺炎=124,398円
脳梗塞=183,471円
脳内出血=199,470円
糖尿病=127,506円
腎不全=187,434円
胆石症および胆のう炎=161,073円

患者は、これらの治療費に加え、「保険外併用療法費」にあたる差額ベッド代なども支払わなければなりません。

(参考)「医療給付実態調査 報告書 平成27年度」(厚生労働省)表番号5 統計表 第3表より抜粋し、またその数値を元に自己負担を3割として算出したもの

先進医療、差額ベッドの費用に健康保険は使えない

日本では、公的医療保険適用の診療(保険診療)と公的医療保険適用外の診療(自由診療)の併用、いわゆる「混合診療」は認められていません。そのため、基本的に保険診療を受けていても、自由診療の治療法を1つ加えると、本来保険診療の分も含め、すべて自己負担となってしまいます。
しかしながら、「保険外併用療養費」は、保険診療と自由診療の併用を認められています。厚生労働大臣の定める保険外併用療養を受けたときには、療養全体にかかる費用のうち基礎的部分については保険給付をし、特別料金部分については全額自己負担をすることになっています。

保険外併用療養費には、「評価療養」と「選定療養」の2種類があります。

「評価療養」は、高度な医療技術で将来保険給付の対象とすべきか評価を行うもので、医薬品・医療機器などの治験に係る診療、薬価基準収載医薬品や保険適用医療機器などの適応外使用などが含まれます。

「選定療養」は、保険給付の対象となる前提がない、患者が快適性や利便性を向上するために選べる付加的なサービス。下記がそれに該当します(※2)

・特別の療養環境(差額ベッド)
・歯科の金合金等
・金属床総義歯
・予約診療
・時間外診療
・大病院の初診
・小児う触の指導管理
・大病院の再診
・180日以上の入院
・制限回数を超える医療行為

したがって、入院時には、公的医療保険適用(保険診療)となる治療費以外も、差額ベッド代などは全額自己負担となります。

(※2)出典:「保険診療と保険外診療の併用について」(厚生労働省)

差額ベッド代の方が治療費より高くなる可能性も……

「差額ベッド代」について、ご存じない方のためにご説明しましょう。

「差額ベッド代」は差額室料ともいわれ、個室などの特別な療養環境を備えた病床に入院した際に発生する料金を指し、その料金は医療費とは別に全額患者負担となります。通常は、1~4人の部屋に入院した際に発生します。

一般的に1人部屋が最も高額で、病床が増えるにつれ安価になる傾向があります。厚生労働省・中央社会保険医療協議会のデータ(平成26年7月1日時点)によれば、1日当たりの平均額は6,129円。しかし、料金は病院によってさまざまで、1日当たりの最高額は378,000円!入院する際には確認した方がよいでしょう。

在院(入院)日数が減っている傾向にあるとはいえ、平成27年度における全疾病の在院(入院)日数の平均は約15.5日(※3)。1日当たりの差額ベッド代×在院日数から計算すれば、平均額と平均日数の組み合わせでも10万円近くになるので、病院によっては15万円、あるいは20万円くらいになる場合も想定されます。ちょっと想像しにくいかもしれませんが「治療費よりも差額ベッド代の方が高額だった」という事態も十分に考えられるのです。

(※3)出典:「医療給付実態調査 報告書 平成27年度」(厚生労働省)表番号5 統計表 第3表より抜粋し、またその数値を元に算出したもの

<差額ベッド代>

<平均在院日数>

万が一に幅広く対応するには、公的サポート+民間の医療保険の検討を

前述のとおり、入院した場合の治療費は、公的医療保険が適用される場合でも平均の自己負担額は154,812円です。さらに、差額ベッド代などの特定療養費が加わるため、25万円ほどになる可能性があります。また、実際には交通費やパジャマ代などの雑費も含め、さらに費用がかかるでしょう。

そこで活用したいのが「高額療養費制度【注1】」や「傷病手当金【注2】」です。高額療養費制度を利用すれば、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後で払い戻されます。また「傷病手当金」は、業務外の病気やケガで仕事を長期的に休むことになったときに、給料の約2/3の額が最長で1年6カ月間支給されるものです。

ただし、高額療養費制度や傷病手当金で、費用のすべてに対応できるわけではありません。差額ベッド代、先進医療の技術料などの保険外併用療養費は、高額療養費制度に関しても適用外となります。また、傷病手当金は、健康保険に加入している会社員、公務員のみが支給対象です。

万が一に備え、余裕をもって幅広く対応するためには、入院・手術の保障はもちろん、先進医療の技術料や最新の治療に対応した民間の医療保険について、検討してみるとよいかもしれません。

【注1】高額療養費制度
公的医療保険における制度の一つで、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額(※)を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。事前に手続きをすることで、医療機関の窓口でのお支払を自己負担限度額までとすることも可能です。詳細はご加入の各公的医療保険の窓口等にお問い合わせください。
(※)70歳未満の年収約370~約770万円の方の場合、80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

【注2】傷病手当金
病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度。条件が定められており、次の1~4をすべて満たしている場合にのみ支給されます。詳細はご加入の各公的医療保険の窓口等にお問い合わせください。
1.業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
2.仕事に就くことができないこと
3.連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
4.休業した期間について給与の支払いがないこと
(支給期間)支給開始した日から最長1年6ヵ月

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