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【FPの視点から考えるライフプラン】長生きはリスクなの?

生きていくうえでは、さまざまなリスクへの備えが必要です。そして、多くのリスクを避けられたとしても、最後に残るリスクがあります。それが、「長生きのリスク」。現代を賢く生き抜くためのライフプランをFPの視点で考えてみました。

人生における5つのリスクとは

人生には、大きく分けて5つのリスクが考えられます。それは、「万一のリスク」、「健康上(病気・ケガ)のリスク」、「障がい・要介護のリスク」、「就業不能のリスク」、「長生き(老後)のリスク」です。

①万一のリスク
死亡に対してのリスクで、リスクの中でも特に負担が大きいといえます。精神面、経済面などのあらゆる面で、遺された家族は不安と向き合わなければなりません。

②健康上のリスク
病気やケガによるリスクです。本人、家族にさまざまな負担が生じ、同時に診察や治療、入院などを伴うことで、医療費が発生します。医療費の負担は公的医療保険で軽減されますが、診療の種類によっては対象にならない場合もあります。

③障がい・要介護のリスク
何らかの原因で身体に障がいを抱えたり、主に加齢によって疾病を発症して介護や支援が必要になったりするリスクのことです。自立して日常生活を送ることが難しいケースも多く、他者からの支えが求められます。ともに公的保障が受けられるものの、福祉サービス等の利用には自己負担額が発生する場合があります。

④就業不能のリスク
さまざまな理由で働けなくなったときのリスクです。病気やケガ、一定の障がい状態が理由であれば、「傷病手当金」や「障害年金」が受け取れますが、治療費や社会保険料などの支出もあり、働けていたときよりも収入が減り経済的に厳しい状況におかれがちです。

⑤長生きのリスク
老後に備えた蓄えが不足してしまうリスクのことです。公的保障としての老齢年金だけでは老後の生活費を賄うのが難しいにもかかわらず、寿命の長さに比べてリタイア時の貯蓄額が十分でない場合に生じます。

これらの5つのリスクは、人生において本人、そしてその家族の心身にダメージを与えかねないリスクであるのと同時に、いずれもが「経済上のリスク」としての側面を少なからず持っています。

幸せなはずの長生き。でも、実はリスクと隣り合わせ?

幸いにも、人生でほかの4つのリスクを避けられたときに、最後に残るのが「長生きのリスク」です。

厚生労働省が発表している「平成28年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性が80.98年、女性が87.14 年(*1)。つまり、仮に60歳でリタイアしたとするなら、その後20年以上もの長い時間を過ごさなければなりません。

60歳で勤めていた会社をやめ、次の仕事に就かなければ、老齢年金支給開始の65歳までの5年間は蓄えを取り崩して暮らしていかなければなりません。また、65歳を迎え、晴れて年金生活に入ったとしても、それだけで生活費を賄えるとは限りません。

蓄えが、実際には何年あるかわからない老後に足りるかどうか。さらに、医療費のかかる病気や寝たきりになるなどして、予想外の出費があっても、蓄えが底をつかないかどうか。老後が長ければ長いほど、つまり「長生き」をすればするほど、こうしたリスクは高まるのです。

「長生き」は、本来、喜ばしいこと。その本来の喜びを享受するためにも、「長生きのリスク」に備えたライフプランを立てておくことが望まれます。

(*1)出典:厚生労働省「平成28年簡易生命表の概況」

今の時代を生き抜くライフプランに「資産運用」も考えてみては

「長生きのリスク」に備えるにあたって、具体的にはどのようなライフプランを立てればよいのでしょうか?

ゆとりのある老後生活を過ごすには、夫婦二人で月34万9千円が必要だといわれています(*2)。その一方で、およそ9割の人が長い老後生活の収入源を公的年金に頼っています。

(*2)出典:生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」

年金生活をしている夫婦の実際をみても、月26万8千円の支出があり、公的年金等では不足する5万5千円ほどを毎月取り崩して生活しているとされます(総務省家計調査年報 2016年より)。

つまり公的年金だけで老後の生活をすべて賄うことは難しく、ゆとりのある老後生活を望むのなら、その不足分を補うための収入源や蓄えが必要になります。

「蓄え」といえばすぐに預貯金が思い浮かびますが、それだけに頼るのは得策とはいえません。もちろん預貯金をしておくことは大切ですが、現在の低金利時代がこの先も続くようなら、より効率的な資産形成を目指すことも視野に入れると良いでしょう。例えば、「保険」や「投資」を部分的に組み入れるのも、資産運用のひとつの方法です。

保険にはさまざまな種類がありますが、資産形成が目的なら貯蓄タイプの終身保険を選ぶとよいでしょう。また、投資についても多くの金融商品がありますが、大儲けすることではなく「長生きのリスク」に備えるのが目的に考えるのであれば、リスクコントロールを考え、「長期・分散・積立」という観点を第一に投資先を決めるようにしましょう。iDeCo (個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)のような税制優遇のある仕組みも活用したいところです。

いずれにしても大事なのは、早いうちから「長生きのリスク」に備えておくこと。早めに保険に加入しておけば受け取れる金額が増え、稼いでいる間に投資の経験を積んでおけばリタイア後にそれで失敗する可能性も低くなります。

預貯金だけではなく、保険や投資という選択肢も視野に入れながら、自分に合った資産形成を考え、現代を賢く生き抜きましょう!

監修:山崎俊輔
(All About「企業年金・401k」ガイド)
年金ジャーナリスト。確定拠出年金(日本版401K)を軸に、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について、執筆、講演を中心に活動を行う。

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